SE心得

・SEを目指している新入社員の皆さんへ。

社会人となって、学生の時には使わなかった言葉が会話の中に出てくる場面も増えてくると思います。
例えば、「明日の定例までに進捗資料作っておいて」等です。
その場で聞くなり、調べるなりできればよいでしょうが、客先での打ち合わせなど、聞けない状況もあるでしょう。
ここでは業務でよく使われるビジネス用語、専門用語、業界用語の概要を書き出してみました。
興味があることについては自分で調べてみるとよいでしょう。
いくつかは別章でまた解説する予定です。
進捗管理
  • システム開発に納期がある以上、計画が必要となります。
    計画がある以上、実績を管理する必要があります。
    一般的にフェーズ毎の計画と実績が一目で分かるようなガントチャートなどを使い、作業の進み具合を確認します。
    計画通りはオンスケジュール、計画よりも進んでいる場合は、前倒しといいます。
    遅れている場合は、原因究明しなければなりません。
    遅れが回復出来そうもない時はリスケジュールの検討が必要になります。
  
フェーズ
  • プロジェクトの作業や工程の状態、段階などを指します。
    ウォーターフォール型アプローチの例をあげれば、調査分析・計画 → 要件定義 → 基本設計 → 詳細設計 → 開発 → 単体テスト → 結合テスト → ユーザ検証 → リリースとなります。
  
ウォーターフォール
  • 従来からのシステム開発手法のひとつです。
    滝が上から下へと流れ落ちるようにフェーズ毎に逐次開発していくことからウォーターフォールモデルと呼ばれます。
    これに対し、反復型開発手法をRUP(Rational Unified Process)といいます。
  
RUP(Rational Unified Process)
  • ユースケースを開発の基点とし、開発するソフトウェアの基本構造を早期に設定しますが、 ウォーターフォールのように始めから完全な形の完成品を想定するのではなく、 重要な機能やリスクの大きな機能をユースケース単位に構築する反復型開発手法のことです。
    また、RUPの特徴としてプロセスは組織やプロジェクトごとにカスタマイズして再利用するものとして構成されており、「プロセス・フレームワーク」とも呼ばれます。
  
トップダウン
  • トップ(社長)が組織の目標を下に(ダウン)向かって流し、其れを実現するために下が粉塵努力する形態を言います。
  
トップダウン設計
  • 最初にシステム全体を定式化し、その後システムの個々の部分の設計を実装できるまで詳細化する設計手法です。
    内部構造に立ち入らずに設計を行っている段階では各部分をブラックボックスとして扱っていることになります。
  
ブラックボックス
  • 入力とそれに対応する出力のみが明らかで、内部構造は不明な装置(オブジェクト・関数・APIなど)のことです。
  
ブラックボックステスト
  • プログラムの内部構造とは関係なく、外部から見て仕様書通りの機能を持っているか確認するテストのことです。
  
ホワイトボックステスト
  • システム内部の構造を理解した上でそれら一つ一つが意図した通りに動作しているかを確認するテストのことです。
    「命令網羅」「判定条件網羅」「条件網羅」「複数条件網羅」「経路組み合わせ網羅」などの方式があり、 基本的にはプログラム内の全ての命令、全てのルーチンが最低一回は実行され、検証されます。
    あくまでプログラム記述者の意図との整合性を確認するだけなので、記述者自身に誤解があった場合は対処できないという欠点もあります。
  
ボトムアップ
  • ボトム(下)で組織の目標を作成し、上に(アップ)向かってあげて承認を得る形態を言います。
  
ボトムアップ設計
  • 最初にシステムを構成する個々の部品を細部まで設計した後に、部品群を組み合わせてより大きな部分を作っていき、 最終的にシステム全体を構成する設計手法です。
  
ユースケース
  • ユースケースはシステム内の機能を表現したものです。   
    その際、システムの提供する機能(振る舞い)はあくまで外部からみた利用者の視線で考えます。
  
ユースケース図
  • UML(Unified Modeling Language)で使用するダイアグラムのひとつで、ユーザのシステムに対する要求をユースケース、アクター、関係で現したものです。
  
UML(Unified Modeling Language)
  • ソフトウェアの成果物を仕様化、図式化する時に使用するOMG(ソフトウェア標準化団体)により標準化された言語で、 オブジェクト指向で業務を分析、設計、開発する時に必要なクラス、オブジェクトなどの要素と、それらを描画するダイアグラムの記法を規定したものです。
    前述のユースケース図の他には、クラス図、シーケンス図、ステートチャート図、アクティビティ図などがあります。
  
オブジェクト指向
  • オブジェクト同士の相互作用としてシステムの振る舞いをとらえる考え方です。
  
オブジェクト
  • オブジェクトとは物理的、または概念的にまとまった”もの”や”人”のことで、名詞として抽出できるものです。
    (形容詞や動詞として抽出できるものはオブジェクトにはならないと考えてよいでしょう)
  
コンプライアンス
  • 企業が経営・活動を行う上で、法令や各種規則などのルール、さらには社会的規範などを守ることです。
    新人研修の必須科目でしょう。法律改定に伴い、近年は情報の取扱いなどが特に厳しくなっています。
  
キックオフミーティング
  • プロジェクトの発足する際に開催される集まりを指します。
    プロジェクト計画の詳細などが説明される場合もありますし、プロジェクトメンバーの顔合わせ程度の場合もあります。
    通常、発注企業と受注企業が、まずはそれそれの社内で社内キックオフミーティングを開催し、その後、両社合同のキックオフミーティングを開催します。
  
カットオーバー
  • 情報システムを新規に導入したり、システムの一部を変更したりする際に、新しいシステムが稼働開始するタイミングを指して使われます。
  
プロパー
  • その会社が新人のころから採用した生え抜きの社員のことです。派遣社員や外注と比較して言われます。
  
Web2.0   
リソース
  • コンピュータにおいては、メモリやCPUなど、コンピュータを満足に動作させるための各種の資源の総称です。
    仕事においては、資金や人的資源などの総称していいます。
  
MUST
  • 必須、言葉通りです。「今期末リリースはMUSTです」などと使います。
  
ToDo
  • しなければならないことです。
    「ToDo形式で議事録をまとめて下さい」などと使います。
  
ドラフト
  • 標準規格の草案を指します。
    草案の問題点や不備、それに対する意見などを集めるために公開します。
    「基本設計ドラフト版でいいからレビューまでにまとめて下さい」などと使います。
  
レビュー
  • プロジェクトの過程において、上位者が下位者の作成した成果物を確認し、修正指示や承認を与える作業です。